こんにちは!さんてです。
医学部学士編入試験とは、「大学を卒業、あるいは社会人を経験した人が、医学部2年次に編入学するための試験」です。
この記事では、そんな方に向けて医学部学士編入試験の概要を説明したいと思います。
目次
学士編入とは?
医学以外の学問を修めたものに対して、試験を行い、合格したものを医学部2年次に編入学させる試験」です。
試験の目的として「他学部で勉強した人に医療を学んでもらい、医療を担う人材に多様性をもたせる」ということがうたわれています。
以前は2年次後期や3年次編入の大学もありましたが、2020年現在ではほぼ全ての大学が「2年次前期に編入」となりました。
受験者層は?
編入試験では、実に多くのバックグラウンドの受験生がいます。例を挙げると、
- 薬剤師や看護師など医療業界に従事している方
- 製薬会社の開発部門に従事されてきた方
- インフラ企業でシステム開発エンジニアとして勤務されてきた方
- 食品メーカーで健康食品開発に取り組まれてきた方
- 生命科学分野で博士課程に在籍している方
- 獣医師あるいは歯科医師の方
また、医療とは全く異なる分野でご活躍されてきた方も大勢いると思います。かくいう筆者も「プラント建設業界」で約4年間勤務した設計エンジニアでした。
メインの年齢層は「20代から30代後半」という印象です。ただ、それ以上の方も何人もいらっしゃいます。
受験資格は?
編入試験には、大学ごとに複数の「受験資格(応募資格)」があります。それらは、下記のとおりです。
- 大学を卒業していること
- 修士課程、あるいは博士課程を修了していること(大学を卒業せず、大学院への飛び級入学も含む)
- 大学を卒業見込みであること
- 大学在籍時に62単位以上を取得していること
大学4年生など、卒業見込みの方でも受験資格があります。また、大学によってはさらに下記のような追加資格があります。
- TOEIC600点以上を取得していること
- TOEFLを60点以上取得していること(70点以上、あるいは80点以上という大学もあります)
- 大学在籍時に自然科学系学問を10単位以上取得していること
よって、受験生は筆記の勉強にくわえて、「受験資格のためのTOEICやTOEFLの勉強も同時に進める」ことが求められます。
また、「物理や化学、生物学などの科目を大学在籍時に履修していること」を条件として求めてくる大学もあります。
試験形式は?
どの大学でも「筆記試験」と「面接試験」の2つがあります。筆記試験の科目は全部で5つあります。
- 「生命科学」
- 「英語」
- 「物理」
- 「化学」
- 「小論文」
しかし、全ての大学が5科目を課すわけではありません。大半が、「生命科学」と「英語」を課す2科目型の大学、もしくは「生命科学」「英語」「物理」「化学」を課す4科目型の大学に分類されます。
また、大学によっては、さらに「小論文」も課すところもあれば、「生命科学」のみというところも存在します。
文系卒か、理系卒か、あるいは勉強を進めてみた結果わかる得意科目など考慮して、どちらの大学群をねらっていくか、戦略を考える必要があります。
予備校は?
学士編入界において、唯一無二の河合塾KALSという予備校があります。学士編入をめざす方は、必ず聞いたことがある名前かと思います。
筆者が1年ほどで合格にたどり着けたのは、ひとえにKalsのおかげです。(なんか、回し者みたいですが。。)
Kalsに入るか入らないかの議論はネットでよく見られます。それらについては割愛しますが、強調したいのは、「毎年160-190名という、大量の合格者を輩出している」という実績があることです。
受験スケジュール
2月や3月に集中している一般入試とは異なり、編入試験の日程は大学によってバラバラです。一番早いところは5月に、遅いところは12月頃になります。
5月から7月あたりまでに筆記がある大学を「前半校」、8月から11月に筆記があるところを「後半校」と呼びます。
難易度や競争率は、「前半校が高い」といわれています。それは、「成績上位層は前半校の大学に合格し、受験グループから抜けていく」傾向があるためです。
Kalsの講座プログラムは4月からスタートします。約1年間の講座が行われ、翌年の5月頃から試験本番が始まるというスケジュール感です。

以上、カンタンではありますが、学士編入の概要についてまとめてみました。他にも、学士編入にかかる費用については別記事でまとめていますので、ご興味ある方はご覧になってみてください
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