医学生生活

【プログラミング】医学生がプログラミングに少しでも手をつけるべき理由

こんにちは!さんてです。

本当に、「プログラミング」という言葉を聞くことが多くなってきました。

それだけでなく、「AI、機械学習、ディープラーニング、Python」などといった言葉もニュースだけでなく、講義でも一度は耳にすると思います。

正直、ほとんどの学生の方は、

学生

使えたら将来絶対役立ちそうなのは分かってるんだけど、なんか難しそうだよな。。

学生

知らない世界だし、ちょっとオタクっぽいかも。。

と、感じているのかなと思います。

そこで、理工学部出身で元エンジニアの自分から見て、「将来医療者になる人間にとってなぜプログラミングが有用となるのか」について考えてみたので、それをお伝えしたいと思います。

この記事は下記の人向けに書いています。

◯何となくプログラミングに興味がある医学生

◯AIに興味がある学生

目次

1. プログラミングとは? AIとは?

まずプログラミングとは、「何らかのコンピュータ用言語を用いて、コンピュータに仕事をさせるための指示書を作ること」だと自分は考えます。

さんて

何だか難しい感じですね。。上の実際のプログラム画面も、知らない人からすると「うわ〜〜」って感じがします。

ただ、どうか毛嫌いせずにお付き合いください。

PCやスマホなんてプログラムの塊ですし、私達の生活の至る所に使われているんです。

そんなプログラムの言語には色々な種類がありますが、医療者にとって関わりが深くなっていくのはAIを形作っている「Python」という言語でしょう。

AIについてオリラジの中田さんがすごくわかりやすく解説してくれているので、まずは下の動画をご覧ください。

2. プログラミングを知るべき理由

2.1 AIがますます医療に入ってきている

現時点において、既にあらゆる診療科の業務でAIの導入が進められています。これからの話ではなく、現時点です。

例えば、

患者さんの年齢や性別、病歴、そして今の症状などを打ち込むと、可能性の高い疾患のリストを表示してくれる技術。

専用端末グラスをかけながら手術を行っている外科医の視野に、今見えている臓器や血管、神経の情報を投影する技術。

他にも無数の技術が生まれ、実用化されようとしています。

AIに関する基礎的な知識が無いと、新しい医療機器の使い方すら理解できない、なんて時代がやってくるかもしれません。

さんて

この本では、医療分野に特化した最新の技術がまとめられています。医師30名による様々な取り組みが紹介されていて、大変面白かったです。

2.2 プログラマーと円滑にコミュニケーションできるようになる

プログラミングに手を付けるべき、と話してきましたが、実は「自分で全てプログラムできるようになるべき」とは考えていません。

それができることに越したことはありませんが、大半の方にはハードルが高すぎると思います。(自分もそうです。。)

多くの方が目指すべき姿は「プログラミングの大変さを肌感覚で分かり、プログラマーと円滑な調整ができる」ということです。

さんて

何だよ、そんなんだったら別に勉強しなくてもできるでしょ、と思われる方も多いでしょう。

でも実際の場面を想像してみてください。

特に「医師」になる方は、いずれ勤務先の病院でAI搭載医療機器を導入するという話に直面する可能性が高いです。

依頼者

3ヶ月後ぐらいに、あるAIシステムを使い始めたいです。患者の情報は音声入力で行なって、それが電子カルテに自動で入るようにしたいですねー。あと、画面もできるだけ見やすくして欲しいです。

開発者

承知しました。現在稼働できるプログラマーの人数だと、8ヶ月くらいかかりますね。あ、試用期間は別ですので、納品となると1年弱かかる見込みです。

依頼者

え、そんなに?どうしてですか?

開発者

◯◯病院さんで使われている電子カルテシステムに対する互換性を持たせる作業は当社では初めてですのでデバッグには想定より時間がかかるかと思います。また、音声入力などインターフェースにも特殊な要求がいくつかあることも理由です。あと、セキュリティのアップデートパッケージが出たばかりでその導入期間も考慮する必要があります。

依頼者

(うん、さっぱりわからん)。。。

こんな感じのミスコミュニケーションは容易に起こり得ます。

逆に、医療者側は「なんでそんなに時間がかかるんだ、コメントしたことも中々反映されないし」と不満が溜まる一方、プログラマー側は「プログラミングの大変さを知らないのに無茶な要求ばっかり言って。。」というストレスを抱える、なんてのは既に現場で起こっている問題だそうです。

でも、患者さんへより良い医療を届けるためには、新しい技術を導入する必要がある。こんな時に、両方の立場・思考を良く理解でき、うまく調整できる人材は非常に重宝されるんです。

2.3 何かに特化した医師がより求められる

出典:「医師の受給に関する背景, 2018」(厚生労働省)

あくまで日本全体の話ですが、日本人口に対する医師数は今後も増えていきます。(医師偏在の問題はちょっと除いています)

すると、何らかの専門性に強い、付加価値の出せる医療者がより強みを持つようになります。

その強みには色々な候補があると思いますが、確実にAI需要が高まる中、その需要に応え結果を出せる医療者は強いのでは無いでしょうか?

まとめ

いかがでしたでしょうか。

医学生のうちからプログラミングやAIに触れるべき理由をまとめると、

① プログラミングに関する知識は応用的なものではなく、基本的なものになってきていること。

② 円滑なAI導入には、それを知っている必要があること。

③ 今後医師数が増えていくので、何らかの専門性を高める必要があること。

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